「自己破産の手続」に関するお役立ち情報
少額管財と通常管財の違い
1 少額管財と通常管財の違いの概要
前提として、個人の方の自己破産の手続きは、同時廃止と、管財事件に分けられます。
破産者の方が借金を作ってしまった事情や、財産の状況等を裁判所が審査して、管財人を選任して破産手続きをするべきと判断された場合、管財事件となります。
そして、管財事件は、さらに少額管財と、通常管財に分けられます。
管財人を選任すべき事件の中でも、破産者の方の財産状況、債務の総額、債権者の数、代理人(弁護士)の有無等の要素を踏まえ、裁判所は少額管財か通常管財のいずれかに振り分けます。
少額管財は、通常管財に比べ、予納金が低額である、破産手続き終了までの期間が短い、破産者の方の労力の負担が少ないという特徴があります。
少額管財と通常管財の違いについて、以下で詳しく説明します。
2 予納金の違いについて
少額管財の予納金は、一般的には最低20万円程度とされます。
これに対し、通常管財における予納金は、最低でも50万円とされます。
少額管財の場合、破産者の方の費用負担を抑えることができます。
3 破産手続き終了までの期間の違いについて
少額管財は、予納金を低額にする一方で、管財人の負担がそれに見合ったものとなるように個別の手続きを簡素化しています。
事案によってある程度異なりますが、少額管財の場合の、破産申立てから免責許可決定までに要する期間は、一般的に3~4か月程度となります。
通常管財の場合、破産申立てから免責許可決定までに要する期間は、一般的には6か月~1年程度とされます。
4 破産者の方の労力の負担の違いについて
管財事件においては、破産者の方は、管財人との面談や、裁判所が開催する債権者集会への出席をする必要があります。
少額管財の場合、多くの場合、管財人との面談と、債権者集会への出席は、それぞれ1回程度となります。
これに対し、通常管財の場合、事案が複雑であることが多いので、事情確認のための管財人との面談や、破産手続きの進行状況等の報告も含む債権者集会が、それぞれ複数回行われることがあります。
5 破産の申立ては弁護士にご相談ください
ここまでで見たように、少額管財と通常管財を比較すると、費用・期間・手続きの負担という面で少額管財の方が破産者の方にとっては好ましいと言えるかと思います。
財産が多いケースや、事案が複雑なケースでも、破産の申立てを弁護士に依頼し、適切に対応してもらうことで、通常管財ではなく少額管財で手続きを進められる場合があります。