Q&A
取締役が自己破産することは可能ですか?
1 取締役の方が自己破産をすると取締役を一旦退任することになる
取締役の方が、ご自身の債務の返済が困難になったために自己破産をした場合、一旦取締役を退任することになります。
取締役は、会社との間で委任契約を締結しています。
そして、委任契約は破産した場合には終了することが法律で定められていることから、自己破産した取締役の方は、一旦取締役を退任することになります。
2 取締役でない方の自己破産との相違点
取締役の方が自己破産をした場合、自由財産を除くご自身の財産が換価されて債権者への支払いに充てられることや、免責不許可事由がなければ債務の返済を免除される点については、取締役ではない、いわゆるサラリーマンの方の自己破産と同じです。
取締役の方の自己破産が、サラリーマンの方の自己破産と異なるのは、1に述べたとおり、取締役を一旦退任しなければならないこと、つまり一度仕事を失ってしまうことです。
3 再度取締役になることはできる
取締役の方が自己破産をし、一度取締役を退任した場合であっても、自己破産手続きが完了した後に、株主総会において、もう一度取締役に選任してもらうことは可能です。
4 代表取締役になる場合には融資を受けることが難しくなる可能性もある
取締役の方が自己破産をし、改めて代表取締役になろうとする場合には、注意すべき点があります。
小規模な会社や、いわゆる法人成りをした一人会社の場合、金融機関等からみた会社の信用は、代表取締役の信用に大きく影響を受けるためです。
取締役の方に限らず、自己破産をすると、その事実は信用情報機関に最長7年間登録されます(いわゆるブラックリスト)。
この間は、金銭の借入を受ける際の審査がとても厳しくなります。
金融機関等が小規模な会社や、法人成りをした一人会社に対して融資をしようとする場合、一般的に金融機関等は、代表取締役の信用情報を参照します。
このとき、代表取締役の事故情報が登録されている場合、金融機関等は融資をしないという判断をする可能性があります。
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